転職すると給料が下がる!なんていう調査結果を転職支援会社のデータなどで見ることがありますが、年収ダウンの転職がいつも”損”かと言いますと、必ずしもそうとは言い切れません。
むしろ、人によっては年収ダウンの転職は”良かった”という人もいたりするぐらいです。
そこで、今回は、転職で年収が下がることで得られるメリットについて考えてみたいと思います。
1.プライベートの時間が増えることがある
年収が高い人が必ずしも長時間労働をしているとは限らないというデータも存在しますので、年収が高いからと言って、プライベートの時間が減るわけではありませんが、転職がきっかけで前職に比べて、労働時間が短くなるというケースは存在します。
データ元/独立行政法人労働政策研究・研修機構(長時間労働とワークスタイル/PDF)
実際に、前職の方が年収は高かったものの、ほとんどプライベートの時間がないというハードな労働環境で働いていて、その後、年収はダウンしたけど、もう少し余裕を持って働ける職場へ転職したことがあるという転職経験者は、筆者も含めて少なくないと思います。
また、転職をして結果的にプライベートに時間が増えたという人がいる一方で、婚活や妊活のために、労働時間を明確に減らしたいと考えて、敢えて給料が安くて労働時間が短い職場へ転職するという人もいたりします。
プライベートの時間の増加は、転職で給料が下がることで得られる可能性のあるメリットの一つと言えるでしょう。
2.職場でのストレスが減る
年収が高い会社に勤務している人の中には、職場の人間関係や取引先とのやりとりで大きなストレスを抱えている人がいたりします。
一方で、年収はそれほど高くはないけど、会社の雰囲気がまったりしていて、人間関係もギスギスしたところがなく、精神的なストレスが少ないという会社もあったりします。
多少、年収が下がってもそうしたストレスから解放されるというのであれば、転職することは、精神的に大きなメリットをもたらしてくれるでしょう。
3.スキルアップや資格取得など自分への投資が可能に
年収が下がることで、得られるメリットとして時間の余裕が生まれるということを説明させて頂きましたが、その恩恵の一つとして、空いた時間でスキルアップや資格取得など、自分への投資を行うことも可能になってきます。
また、時間的な余裕に加えて、業務内容に余裕があれば、肉体的にも精神的にも疲れをそれほど感じずにスキルアップや資格取得に取り組むことができるので、集中できるといったメリットもあります。
転職することで、仮に年収がダウンしても自分へ投資できる時間を確保できるというのは、大きなメリットの一つと言えるでしょう。
4.副業や別の業務にもチャレンジできる可能性がある
大手企業ではまだまだ副業禁止規定などがあり難しかったりしますが、会社によっては副業や別の会社の業務をすることを認めている会社もあり、そうした会社に転職できれば、主体的に自分で仕事を選び、取り組むことができます。
現在、副業規定がある会社に勤務していて、今の仕事以外に様々な事業に取り組んでみたいと考えている人であれば、そうした会社に転職することで年収は下がるかもしれませんが、様々なことにチャレンジできるという精神的な充足感をきっと得ることができるでしょう。
与えられた仕事しかできないという枠に縛られたくないという人には、例え、給料がダウンしても、転職するメリットは大きいと言えます。
5.年収ダウンのベンチャーに転職して後で大きな果実を手にすることも
大企業からベンチャー企業に転職した後、短期間で急成長し上場してストックオプションで大きな資産を手にしたり、あるいは、経営陣として参画して高い給料を手にすることができるようになるなど、ベンチャー企業には大企業にはない収入面での魅力があります。
もちろん、上場まで漕ぎ着けることができるベンチャー企業の数は少ないですが、勇気を持ってリスクを取り、チャレンジした人だけが得られる果実は大きなものになることがあります。
アメリカなどに比べて、日本のベンチャー業界では、資金の流動性や規模は物足りないと長らく言われてきましたが、近年は日本でも志の高いベンチャーキャピタルも数多く出てきていますので、環境は以前に比べると良くなってきていると言えるでしょう。
6.お金では買えない経験
給料は下がっても、自分が前から興味があった仕事だったり、あるいは、行きたかった外国での仕事だったり、お金では買えない経験ができるのも転職のメリットの一つです。
自分が尊敬できる人と働けることで得られる経験は、その後の職業人生にとってきっと貴重な財産になりますし、また、海外で得ることができた人脈はキャリアの幅を確実に広げることになるでしょう。
年収ダウンだったとしても、自分の夢や自分の希望を叶えることができるチャンスが転職にはあります。
まとめ
「転職で年収が下がることにはメリットもある?!」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
筆者自身、年収が上がることになった転職もあれば、年収が下がることになった転職も経験がありますが、年収については、転職する先の会社以外にも、そのときの景気の状況、雇用の状況、業界全体の利益構造など様々なことが絡み合って決まりますので、「運」の要素もかなりあると感じています。
もちろん、「運」を引き寄せる努力も必要ですが、仮に年収が下がったとしても、その変化を自分がどの様に受け止め、どのように対応していくのかということを考えていくことの方が重要であると思います。