転職するなら35歳まで・・・40歳まで・・・など様々な節目がまことしやかに語られますが、転職するなら何歳までというリミットは本当に存在するのでしょうか?
結論から言えば、何歳までと年齢にリミットが出てくるのは仕事内容によって変わりますが、現実的にはほぼ存在しません。
今回は、転職と年齢、そしてリミットについて考えてみたいと思います。
転職できる年齢のリミットは仕事内容によって変わる
例えば、野球やサッカー、バスケットボールといった仕事は、いくら本人がそれを仕事にしたいと熱望しても、実際のところ、ほとんどの人がそれでお金を稼ぐほど活躍するのは難しいのが現実ですが、同じスポーツでも乗馬やアーチェリーといったスポーツは高齢の方でもその気になれば、取り組めないことはありません。
これと同じように転職はその仕事の内容によって、転職できる年齢のリミットが変わってきます。
例えば、中高年の人が転職するのが難しいものとしては、若い人向けのアパレルの販売員や飲食店の店員などは年齢的にリミットがあると考えて、ほぼ間違いありません。
ただ、それ以外の仕事、例えば、事務職、営業、マーケティング、経営企画、開発、経理、人事、総務などの仕事は、ほとんどの場合、本人がその気になれば、30歳や40歳でも転職できないことはありません。
もちろん、未経験の職種で、さらに有名な企業での転職を希望するということになると簡単ではないですが、中小企業であれば、ほとんどの場合、年齢的なリミットはほぼ存在しないでしょう。
では、転職するなら何歳まで・・・と巷で言われるのは何を指して言っているのでしょうか?
転職できる年齢のリミットは上司の年齢や社員の年齢層
ほとんどの職種で現状、年齢的な壁が存在しないとなると、実際のところ、年齢のリミットとなっているその原因の多くは、上司の年齢や社員の年齢層といったことに起因することが大半です。
40歳の上司のもとに50歳の部下が転職で応募して来たり、社員の平均年齢30歳の会社に、45歳の転職者が応募してくるというのは、現実的に書類の段階で落ちてしまうことが多いというのは、多くの会社で避けようがない現実です。
実際に当サイトの編集部のスタッフは20代~60代のメンバーにより構成されていますが、これまで働いたことのある会社で転職者が年齢で採用を見送られた理由の多くは、そこで働いている上司やスタッフの年齢とのバランスを考えてというケースだったと口を揃えます。
つまり、転職できるのは何歳まで・・・という年齢のリミットがあるのは、転職を希望する会社の人員の年齢構成によるところが非常に大きいということが窺えます。
年齢の壁を超えるには転職先企業の年齢構成がカギ
ということは、30代から50代までの中高年が自分の年齢の壁を越えて、転職を成功させるためには、転職先選びを間違えてはいけないということになります。
そして、社員の年齢構成的に自分がその会社で「居場所」を見つけることができるようであれば、転職活動でも入社後も、年齢というリミットを感じることはほとんどないでしょう。
むしろ、中小企業では、実務経験が豊富で管理の経験もあるミドルクラスというのは、経営層と若手社員の橋渡しをしながら、若手社員を育てるといった役目を果たしてくれる人材として、歓迎してくれる会社も多いほどです。
そういった意味では、幅広い年齢層が在籍する中小企業は、中高年が転職先として選ぶ上で、年齢的なリミットを感じることなく転職活動を行うことができる典型的な企業ということになるかと思います。
転職の年齢のリミットが気になるなら、クラウドワーカーという生き方も
年齢を重ねれば重ねるほど、転職は段々と不利になっていくことは避けられませんが、そんな不安をこれからも抱えて生きていくのはうんざり・・という人には、転職の年齢のリミットを気にしないで生きる道もネットのおかげで開かれつつあります。
それが、クラウドソーシングです。
クラウドソーシングとは、ご存じない方に平たく説明させていただきますと、インターネットを利用して仕事を発注したり、受注したりする仕組みで、おもに受注する側の人のことを指して、クラウドワーカーと呼びます。
そして、クラウドソーシングの市場規模は、総務省が発表した平成26年版の情報通信白書によれば、今後ますます拡大して、2017年には1,473億円に達する見込みで、2030年以降には、10兆円超にも達することが予想されています。
(出典)矢野経済研究所「BPO市場・クラウドソーシング市場に関する調査結果2013」
では、実際、現在クラウドワーカーとして働いている人には、どんな人が増えているのかと言いますと、30代前後の女性と50歳以上のシニア世代がどんどん参入しているのです。
(出典)株式会社クラウドワークス提供資料
インターネットを利用したクラウドソーシングの波が本格化するのは、これからということが予想され、先行しているアメリカではすでに日本の数倍もの市場規模でクラウドソーシングが拡大していまして、アメリカのクラウドソーシング企業大手のoDesk・スワート社長は、「2020年までに世界の労働者の3人に1人はオンラインワーカーになっている」と予測しています。
ちなみに日本のトップ・クラウドワーカーになりますと、年収2,000万円規模で稼いでいる人がいたりなど、一介のサラリーパーソンでいるよりも多くの所得を得ることができるチャンスもあります。
クラウドワーカーであれば、安定的な収入を確保することが簡単ではないというデメリットも存在するものの、一方で転職するたびに年齢の壁を感じたりすることなく働くことができるというメリットもあります。
まとめ
「転職するなら何歳までと年齢にリミットを設けることは意味がない?!」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
転職と年齢は、どうしても切っても切れない関係にありますが、働き方の変化に伴って、以前に比べて年齢のリミットを気にせず働くことができる環境も生まれつつあります。
自分の年齢とこれからの働き方については、幅広い視点で考えたいところですね。